石の日記

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イグノーベル賞のサソリの便秘の話がすごい

イグノーベル賞で、サソリの尾の自切と便秘についての研究が生物学賞になったとのこと!

 

自切の極端なケースの短期的および長期的な影響:「尾」の喪失とその後の便秘は、オスとメスのサソリの運動能力を低下させるか?
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1749-4877.12604

 

「トカゲの尻尾切り」は聞いたことがあるけど、サソリも切るんですね。
で、サソリが危険を感じて尻尾を切ると、肛門も失って、しかも再生しないので、死ぬまでずっと便秘で、多くはそのせいで死んでしまうそうです。

うっそー?!
って感じですよね(笑)それは嫌だわー。

で、この研究では、体の重さの変化と走る速さ(運動能力)を主に調べています。
便秘は体重変化に影響があるから利用されていますが、そこがメインではありません。

そもそも生きるために尻尾を切るのに、そのせいで死んじゃうってどういうこと?!意味ないじゃん。

どうやら、便秘で死ぬまでに数か月かかるので、子孫を残せる時間があるために淘汰されなかったのでは、ということですが…。

この話を聞いた時、初めはサソリの肛門と生殖器の位置を知りませんでした。てっきり両方とも胴体の近くにあると思い、「肛門が無くなるほど根本側を切るのに、子孫は残せるってどういうこと??」と謎でした。
調べたところ、サソリの尻尾はトカゲみたいにただの尻尾じゃなく、消化管が通っていて尾の先の方に肛門があるそうです。で、生殖器はお腹の辺りにある。だから尾を自切すると、肛門とはサヨナラするけど子作りはできるというわけです。メスは自切で繁殖能力が低下すると書いてありましたが、まぁ「低下」なので0ではなく、子孫は残せるようです。

このイグノーベル賞の研究は驚きポイント満載!とても面白かったです。

 

それにしても、サソリも大変なんだなぁ。そんなこともあるんですね。
実際、生き物が今もっている性質や能力は、必ずしも生きるのに有利なことや効率のいいことばかりではない。

例えばネコは、砂漠など水が少ない場所でも生きていけるように適応したせいで腎臓病になりやすいとのこと(まだ研究中)。

人間だって、自分から健康に悪いものをたくさん食べてわざわざ死につながる生活習慣病になるし。

子孫を残せさえすれば、良いとは言えない性質も今いる生き物まで残ってしまうんですよね。

そうです。私たちは誰もが、氷河期や飢饉、災害、数々の戦争を生き残った、運が強く生き物の三大欲求に忠実なご先祖様の生き残りなのです!

…という壮大な話に見せかけて実は食欲を肯定したいだけというのがバレたところで、今日は終了します(笑)